理念

私たちの目指すもの

 鎌倉で本格的に遺跡発掘調査が始まって半世紀、中世都市鎌倉についてさまざまなことがわかってきました。都市民の生活感覚、使われていた道具と心のありか、若宮大路や小町大路の裏、鎌倉時代以前の鎌倉の姿、どこにどんな人が住んでいたか、武家屋敷と町屋の違い、町構造の変化、食べ物、死者のゆくえ、災害の痕跡、などなど。鎌倉の地下には目をみはるような歴史遺産が眠っているのです。今も絶え間なく新たな成果が蓄積されています。それだけではありません。現代の街角の見慣れた風景の中にも、古代・中世の鎌倉がその一端をのぞかせています。しかし、こういったことをどれだけの市民が知っているでしょうか。

 一般社団法人 鎌倉・中世文化研究センターは、これまでにわかった中世都市鎌倉の姿を市民に知ってもらい、それによって何百年も前の自分たちの町を身近に感じてもらうことを目的として、2019年10月、税理士田中潤を理事長として、中世考古学研究者馬渕和雄を所長として発足しました。私たちは目標を実現するため、次のような活動をおこないます。

  1. これまでに発掘調査された遺跡をわかりやすく紹介すること
  2. 歴史遺産をできるだけ可視化し、市民に中世都市鎌倉を体感してもらうこと
  3. 発掘現場を積極的に公開すること
  4. 街を歩き、風景の中に歴史的意味を見出すこと
  5. 所蔵する考古学と日本中世史の書籍を供覧すること
  6. 考古学を職業とする人材の育成

以上の活動のほかにもさまざまな方法で目標に向かって進んでいくつもりです。ご支援よろしくお願いします。

所在地と連絡先

〒 248-0035

神奈川県鎌倉市西鎌倉1丁目-21-27 A3

電話番号 0467-91-2501

これまでの活動

遺跡調査

2021 年 5~6 月 藤沢市立石遺跡(第4次調査)
  縄文時代前期~中期の集落(竪穴住居のほか早期の有舌尖頭器などもで出土)

2022 年 5~7 月 鎌倉市光明寺周辺遺跡(材木座六丁目 867 番 1, 854 番 12 地点)
  鎌倉時代後期~南北朝時代の光明寺関連の石敷遺構

2022 年 10 月~2023 年 1 月 鎌倉市小町大路東遺跡(大町1丁目 1174, 1175-1)
  奈良時代の竪穴住居・鎌倉時代の小町大路と建物群

2023 年 3~4 月 鎌倉市名越ヶ谷遺跡(大町三丁目 2352 番 1)
  平安時代後期の噴砂痕・鎌倉時代~戦国時代の大町大路側溝と建物群

2023 年 5~9 月 鎌倉市若宮大路周辺遺跡群(小町一丁目 116-9, 13)
  奈良時代集落・鎌倉時代の都市遺跡

2024 年 3~7 月 鎌倉市材木座町屋遺跡(材木座一丁目 36 番 2 の一部)
  鎌倉時代満潮・鎌倉時代~江戸時代の各時代の災害痕跡

刊行物

2024 年 5 月 『立石遺跡第 4 次調査 発掘調査報告書』

所長

馬淵和雄

1955 年生まれ

青山学院大学文学部史学科(考古学専攻)卒業。
学生時代の 1978 年以来 40 年以上鎌倉市内の遺跡調査に携わる。この間日本考古学協会理事を 4 期 8 年つとめる。
お茶の水女子大学・日本女子大学で非常勤講師を兼務した。

2004 年より日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員として、長野県松本市殿村遺跡・沖縄県那覇市首里城中城御殿(ナカグスクウドゥン)・大分県杵築市竹築城長屋御殿などの保存活動に取り組む(いずれも国指定史跡化)。

専門 中世都市論・宗教社会論・生活文化論・鎌倉論など。

書籍

鎌倉大仏の中世史

1998年11月20日 株式会社新人物往来社

中世都市鎌倉の実像と境界

2004年09月15日 高志書院

他、共著・編著・論文多数

理事長

田中 潤

 私は鎌倉在住ですが、この街は歴史都市と言われ多くの観光客を受け入れる中で、文化行政が実に貧しいことに常々頭を痛めてきました。私たち民間の力で、微力でも鎌倉の宝である埋蔵された遺跡の発掘事業への対応を様々な角度から精査し、地域のためになる方法があるのではないかと思い、本法人を設立し、活動を始めました。

(公益の志)

 私が行っている活動のキーワードは、不特定多数の人々の幸せを実現する公益への志です。地域の方々が鎌倉の遺跡を発掘する事業を身近なものとし、鎌倉の歴史的役割や将来に伝えるべき責任と誇りを意識して暮らしていけるようになって欲しいと願っています。それは、地域の中で日々の幸せを実感していくことに繋がると思います。

(税理士)

 私は、昭和63年に税理士登録をし、現在横浜で田中事務所税理士法人の代表社員を務めています。地方自治体・医師会・看護協会・薬剤師会・信用金庫・宗教法人など各種公益法人を始め、数百社の小さな法人の顧問を務めています。

(被災地支援の責任者)

 また、医療支援団体の責任者として、平成23年の春、被災地へ支援活動に赴きました。その際、長期的支援の必要性を痛感し、日本で初めての東日本大震災支援のための公益社団法人東日本大震災雇用・教育・健康支援機構(震災機構)を設立し、代表理事に就任しました。その後、岩手県大槌町と包括支援協定を締結し、現在も同地でコミュニティハウスの運営や町民の生活サポートを行っています。また、震災の翌年から岩手・宮城・福島三県の市町村の教育委員会を通じて修学旅行支援をつづけています。今年は、能登地震により被災された小中学校の児童たちに、震災機構が大槌町で運営しているモーモーハウスで作ったお菓子やカプセルトイ(ガチャガチャ)を贈る支援をしています。

(受動喫煙撲滅活動の責任者)

 受動喫煙に悩む方々を支援する公益社団法人受動喫煙撲滅機構の代表理事として、全国の受動喫煙症に悩む方々の救済を始め、住宅での受動喫煙被害対策を行っています。

(結び)

 公益活動を行うことで、お互いのことを思いやり、相扶ける関係を作っていくことをこれからも目指していきたいと強く思っています。